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ペット可物件の原状回復

ペット可物件の原状回復
コラム

ペット可物件の需要が高まる一方で、「退去後の傷や臭いがひどくて困っている」「原状回復費用をどこまで請求できるの?」とお悩みの管理会社様・オーナー様も多いのではないでしょうか。ペット可物件は通常の物件と比べて原状回復の範囲や費用が大きくなりがちです。この記事では、ペット可物件の原状回復における費用相場から、負担区分の考え方、トラブルを防ぐためのポイントまで詳しく解説します。

📋 目次

  1. ペット可物件の原状回復は誰が負担する?
  2. ペットによる損傷の種類と特徴
  3. 原状回復工事の費用相場
  4. 臭い対策の方法と費用
  5. 入居者への費用請求のポイント
  6. ペット可物件のトラブルを防ぐ対策
  7. まとめ

ペット可物件の原状回復は誰が負担する?

ペットによる傷や臭いの原状回復費用は、原則として借主(入居者)負担となります。

🐾 国交省ガイドラインの見解

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「ペットによる柱等のキズ・臭い」は借主の負担とされています。ペットを飼育すること自体が通常の使用を超えるため、それに起因する損耗は借主が負担するという考え方です。

💡 ポイント

  • ペット可でも借主負担:物件がペット可であっても、ペットによる損傷の原状回復は借主負担が原則
  • 経年劣化は考慮される:クロス等は経過年数による減価を考慮した請求となる
  • 契約書の特約が重要:ペット飼育に関する特約を明記しておくとトラブル防止に有効

ペットによる損傷の種類と特徴

ペットの種類によって、発生しやすい損傷は異なります。代表的な損傷パターンを把握しておきましょう。

🐕 犬による損傷

  • 床の傷:爪による引っかき傷。フローリングに多数の線傷が入る
  • 壁・クロスの傷:爪とぎや体当たりによる破れ・傷
  • 柱・建具の傷:噛み跡や引っかき傷。特にドア枠周辺に多い
  • 臭い:体臭・排泄臭がクロスや床材に染み付く
  • 尿シミ:フローリングやCFシートに尿が染み込み変色

🐈 猫による損傷

  • 爪とぎ跡:壁・柱・ドア・襖などに深い爪とぎ傷。クロスがボロボロになることも
  • 尿スプレー:壁の下部に尿をかける習性があり、クロス・巾木に染み込む
  • 臭い:猫の尿臭は特に強烈で、クロス張り替えだけでは取れないことも
  • 網戸の破れ:よじ登りや引っかきによる破損

⚠️ 損傷の程度による分類

  • 軽度:小さな引っかき傷、部分的な汚れ → 補修・部分張り替えで対応可能
  • 中度:複数箇所の傷・汚れ、軽い臭い → 全面張り替え+消臭が必要
  • 重度:広範囲の損傷、強い臭い、下地への染み込み → 下地処理・大規模工事が必要

原状回復工事の費用相場

ペット可物件の原状回復は、通常の物件より費用が高くなる傾向があります。損傷箇所別の費用相場をご紹介します。

壁・クロス

部分補修(小さな傷・汚れ)5,000円〜1.5万円/箇所

小さな爪とぎ跡や引っかき傷の補修。パテ埋め+部分張り替えで対応。

全面張り替え(1K〜1LDK)5万〜12万円

広範囲に傷や臭いがある場合は全面張り替えが必要。消臭下地処理を含む場合は+2〜3万円。

全面張り替え(2LDK〜3LDK)10万〜25万円

広い物件は工事面積も増加。下地の石膏ボード交換が必要な場合はさらに費用がかかります。

床材

フローリング補修(リペア)1万〜3万円/箇所

軽度の傷・へこみは補修で対応可能。専門のリペア業者による施工。

フローリング張り替え8,000円〜1.5万円/㎡

広範囲の傷や尿染みがある場合は張り替えが必要。6畳で15〜25万円程度。

CFシート張り替え2,500〜4,000円/㎡

クッションフロアは比較的安価に張り替え可能。ペット対応の耐傷タイプもあり。

柱・建具・その他

柱・ドア枠の補修1万〜5万円/箇所

爪とぎや噛み跡の補修。パテ埋め・塗装で対応。深い傷は部材交換が必要。

襖・障子の張り替え3,000〜8,000円/枚

引っかきや破れによる張り替え。枠ごと交換の場合は2〜5万円/枚。

網戸の張り替え3,000〜5,000円/枚

破れた網戸の張り替え。ペット対応の強化ネットもあり。

巾木の交換500〜1,000円/m

尿スプレーで傷んだ巾木の交換。臭いが染み込んでいる場合は必須。

臭い対策の方法と費用

ペット臭は原状回復で最も厄介な問題の一つです。臭いの程度に応じた対策方法をご紹介します。

1消臭クリーニング(軽度の臭い)

費用目安:1万〜3万円

専用の消臭剤を使用したクリーニング。換気で軽減できる程度の臭いに有効。ハウスクリーニングと合わせて実施することが多いです。

2オゾン脱臭(中度の臭い)

費用目安:3万〜8万円

オゾン発生器による強力な脱臭。臭いの分子を分解するため効果が高いです。クロス張り替え後に実施すると効果的。複数回の実施が必要な場合もあります。

3下地処理+張り替え(重度の臭い)

費用目安:張り替え費用+2〜5万円

臭いが下地に染み込んでいる場合は、シーラー(下地処理剤)を塗布してから張り替えます。これにより臭いの染み出しを防ぎます。

4下地材の交換(最重度の臭い)

費用目安:3,000〜5,000円/㎡(石膏ボード交換)

シーラーでも臭いが取れない場合は、石膏ボードや床下地の交換が必要になることも。猫の尿スプレーが長期間放置された場合などに発生します。

⚠️ 臭いの発生源を特定することが重要

クロスを張り替えても臭いが取れない場合、床材、巾木、建具、エアコンなど他の場所に臭いが染み込んでいる可能性があります。まず臭いの発生源を特定し、適切な対策を行うことが重要です。

入居者への費用請求のポイント

ペットによる損傷の原状回復費用を請求する際のポイントをまとめました。

✅ 経過年数を考慮する

クロスは6年で残存価値1円となるため、入居期間に応じて借主負担額は減少します。ただし、ペットによる損傷は「故意・過失」に該当するため、経過年数を超えた負担を求められるケースもあります。

✅ 損傷箇所を写真で記録する

退去立会い時に、ペットによる傷や汚れを写真で記録しておきましょう。入居時の写真と比較できると、より説得力のある請求ができます。

✅ 見積書で費用の根拠を示す

リフォーム業者の見積書を提示し、費用の根拠を明確に説明しましょう。「一式」ではなく項目別の内訳があると、入居者の理解を得やすくなります。

💡 敷金・ペット敷金の活用

ペット可物件では、通常の敷金に加えて「ペット敷金」を1ヶ月分追加で預かるケースが多いです。これにより、原状回復費用を敷金から充当しやすくなります。契約時に設定しておくことをおすすめします。

ペット可物件のトラブルを防ぐ対策

ペット可物件のトラブルを未然に防ぐための対策をご紹介します。

1契約書にペット特約を明記する

飼育可能なペットの種類・頭数・大きさを明記し、「ペットによる損傷の原状回復費用は借主負担とする」旨を契約書に明記しましょう。ペット敷金の設定も契約時に行います。

2入居時に原状回復について説明する

契約時に、ペットによる損傷があった場合の原状回復費用について具体的に説明しておきましょう。費用の目安を伝えておくと、退去時のトラブルを減らせます。

3入居時の状態を詳細に記録する

入居前の物件状態を写真・動画で記録し、チェックリストとともに入居者と共有しましょう。特に傷がつきやすい床・壁・柱・建具は重点的に記録しておきます。

4ペット対応の内装材を検討する

次回のリフォーム時に、傷がつきにくい床材や消臭機能付きクロスなど、ペット対応の内装材を採用することで、将来の原状回復費用を抑えられます。

5定期的な物件確認を行う

設備点検などの機会に室内の状態を確認し、早期に問題を発見できるようにしましょう。無断でペットを増やしていないかのチェックにもなります。

まとめ

ペット可物件の原状回復費用は、クロス張り替えで5万〜25万円、床材張り替えで15万〜25万円、消臭対策で1万〜8万円が目安です。損傷の程度によっては、下地処理や大規模な工事が必要になることもあります。

ペットによる損傷は借主負担が原則ですが、トラブルを防ぐためには契約時の特約明記、入居時の状態記録、退去立会いでの丁寧な確認が重要です。ペット敷金の設定も有効な対策となります。

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